東京五輪で注目のストライカー。南米の両雄はフル代表でもゴール量産 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 一方、南米にとって、五輪の優先順位はヨーロッパと比べるとかなり高い。アルゼンチンは92年以降、7大会出場して優勝2回、準優勝1回。ブラジルは優勝1回、準優勝1回、3位2回となっている。2016年のリオ五輪では、ネイマールを擁してブラジルが頂点に立った。

 東京五輪でも、ストライカーとして注目されるのは、南米の2人だ。

 アルゼンチン代表のFWラウタロ・マルティネス(22歳、インテル)は、セリエA挑戦2年目で変身を遂げつつある。すでにアルゼンチンのフル代表で得点を量産。U-23をユース年代の総決算と位置付けるなら、すでに規格外だ。

 マルティネスは見るからに腰が強く、下半身のバランスに優れる。そのため反転が鋭く、相手の裏を取れる。ポストプレーからボールを運び、シュートに至る流れもスムーズで、足の振りも速い。セルヒオ・アグエロに似ているが、俊敏さは格別で、マンチェスター・シティやバルセロナが触手を伸ばしているのも必然だろう。

 2004年のアテネ五輪、得点王になって母国を優勝に導いたカルロス・テベスのような怪物ぶりを発揮できるか、期待される。

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