東京五輪で見逃せない2人のGK。大型で俊敏、神がかったプレーも連発 (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 今シーズン第26節、ビジャレアル戦で見せたセービングは、実にシモンらしかった。至近距離からのシュートに対して、少しも恐れず、両手を大きく広げ、全身を壁とし、最後は顔面で守り切っている。顔を正面に向け、頑なに背けず、そこをボールがかすめてシュートが逸れる。これに似たシーンはいくつも見られ、鉄の度胸と勇敢さで、ゴールに立ちはだかっている。

 もうひとりは、フランスU―23代表のアルバン・ラフォン(21歳、ナント)だろう。

 2015-16シーズン、ラフォンはトゥールーズで、リーグアン史上最年少の16歳310日でのデビューを飾った。GKにとって10代でプロ経験を積むのは難しいことだが、才能が突出している証左だろう。3シーズン、レギュラーとしてプレー。昨シーズンはセリエAのフィオレンティーナに移籍し、正GKとしてゴールマウスを守ってさらに成長した。

 ただ、今シーズンは同年代のポーランド代表GKバルトウォミェイ・ドロンゴフスキ(22歳)が復帰し、チーム内でのポジション争いが激化。そこで、期限付き移籍でナントへ新天地を求め、着実に試合数を重ねている。

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