史上最多のバロンドール6回受賞。メッシのベストシーズンとは? (4ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by ben radford/Corbis via Getty Images

 このシーズンのCLと言えば、準々決勝で初の日本人対決が実現したことを記憶しているファンも多いだろう。内田篤人を擁するシャルケと、長友佑都を擁するインテルが対戦し、内田のシャルケがベスト4へ進んでいる。

 だが、快進撃を続けた伏兵シャルケも、準決勝ではマンチェスターUに歯が立たなかった。直近4シーズンで3度目となる決勝進出の"赤い悪魔"は、間違いなく優勝候補のひとつであり、バルサとの決勝は、順当に勝ち上がった横綱同士が雌雄を決する大一番のはずだったのだ。

 ところが、だ。新装なったロンドンのウェンブリースタジアムで行なわれた決勝では、試合序盤こそマンチェスターUが果敢なプレッシングで主導権を握ったものの、その後はバルサが速いテンポのパスワークで、マンチェスターUを蹂躙。なかでもメッシは、狙いどおりに相手ボランチとセンターバックの間に顔を出すと、ドリブルで、あるいはマークを集めてからのスルーパスで、次々に相手ゴールへ襲いかかかった。

 そして、試合を決めたのもメッシだった。

 1-1で迎えた後半54分、シャビとのパス交換で前を向いたイニエスタからのパスを低い位置で受けたメッシは、相手センターバックの寄せが緩いと見るや、ドリブルで前進。そのまま、ペナルティーエリアの外から左足で放ったミドルシュートは、きれいにゴール右スミへ突き刺さった。

 その後も一方的に攻め続けるバルサは、次々にチャンスを作り出すと、メッシのドリブル突破から最後はビジャが決めて追加点。終わってみれば、3-1というスコア以上の完勝だった。

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