史上最多のバロンドール6回受賞。メッシのベストシーズンとは? (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by ben radford/Corbis via Getty Images

 とはいえ、これだけ長く世界のトップに君臨し続けてしまうと、彼のベストシーズンがいつだったのか、その判断は逆に難しくなる。どんな要素を重視するかによって、いつがベストかは人それぞれだろう。

 だが、最も強く今も印象に残っているという意味で言えば、"極私的"なメッシのベストシーズンははっきりしている。それは2010-11。バルサがリーガ3連覇を成し遂げ、UEFAチャンピオンズリーグを制したシーズンである。

マンチェスターUと対戦した2010-11CL決勝でも鮮やかなゴールを決めて、チームを勝利に導いたメッシマンチェスターUと対戦した2010-11CL決勝でも鮮やかなゴールを決めて、チームを勝利に導いたメッシ このシーズン、ズラタン・イブラヒモビッチ、ティエリ・アンリに代わって、新たなFWにダビド・ビジャを加えたバルサは、3トップの中央にビジャ、右にメッシ、左にペドロが、開幕当初の基本布陣だった。

 しかし、徹底的に守備を固め、打倒バルサを目論む相手との対戦を重ねるなかで行きついたのが、メッシをやや下がり目のセンターフォワードの位置、いわゆる"偽の9番"に置く3トップ。中盤での数的優位を作り出すことを目的としたこのシステムは、メッシに時間とスペースを与えることに成功したばかりか、シャビやアンドレス・イニエスタらのテクニックを存分に引き出し、数多くのチャンスメイクにもつながった。

 それが存分に発揮されたのが、シーズン最終戦。すなわち、マンチェスター・ユナイテッドとのCLファイナルである。

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