2020.04.28

攻撃的サッカーの聖地で行なわれた
98年CL決勝は、関ケ原の戦いだった

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 赤木真二●写真 photo by Akagi Shinji

 特質すべきは、開閉式屋根を備えたドームである点だ。欧州のサッカースタジアムにおいてはその先駆者的な存在になる。スタジアムの概念はアレナ完成を機に大きく変わることになった。

 客船をイメージさせるスタジアムの器。そしてなにより斬新さに目を奪われるのは、高速道路から続く高架橋式の道路が、その器の中を貫通しているというビジュアルだ。スタンド階下の駐車場へと直結しているので、車で訪れた観衆は、雨に一切濡れることなくスタンドに入ることができる。そして観客席に座れば、今度は開閉式ドームの恩恵に授かれる。ここでも雨風に打たれることはない。さらに、スタンドの傾斜が急なので、ゲームを俯瞰で楽しむことができる。快適空間なのである。

 場内の案内表示も大きくて、カラフルでわかりやすい。観客ファーストの精神が貫かれている。「おもてなし」の精神は、アクセスにも現れている。アムステルダム中央駅から電車で約15分。アムステルダム国際空港(スキポール空港)からも約20分の距離にある。国鉄もあれば地下鉄もある。地下鉄は両ゴール裏に1駅ずつ、計2駅ある。ホームとアウェーのサポーターが別々の導線をたどれるような仕組みになっている。