「無敵チーム」で抜群の存在感。アンリはゴールを優雅に軽々と決めた (5ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by AFLO


 2003−04シーズン、アーセナルはノースロンドンのライバル、トッテナムとのアウェーゲームに引き分け、4試合を残して早々と優勝を決めた。一方、UEFAチャンピオンズリーグでは、準々決勝でやはりロンドンのライバルチーム、チェルシーに負けて大会から姿を消した。

 ヨーロッパの舞台で結果を残せなかったこともあり、実際にアンリがバロンドールを手にすることはなかった。

 加えて、2003−04シーズンに無敗でプレミアリーグを制してからというものの、アーセナルがリーグ優勝を達成したことは一度もない。それどころか、翌シーズン以降、アーセナルは優勝争いから離れるようになっていくと、徐々に主役の座を明け渡すようになった。

 その儚(はかな)さゆえだろうか。インビンシブルズと呼ばれたチームが、そして、そのチームの得点源として、ピッチに両ひざを滑らせて何度も喜びを爆発させていたエースの姿が脳裏に刻まれている。

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