ネドベドの全力プレーは欧州を席巻した。CL決勝出場停止の悲劇も (2ページ目)

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 下馬評を覆し、クロード・マケレレ不在のレアル・マドリードを序盤から圧倒したユベントスは、前半に2点をリードすると、後半に入った73分には、ネドベドがダメ押しの3ゴール目。ユベントスが決勝進出をほぼ確定した状況で迎えた、82分の出来事だった。

 ボールをキープするスティーブ・マクマナマンに対し、ネドベドがセンターサークル内でスライディングタックルを仕掛けると、それが危険なタックルと見なされてレフェリーがイエローカードを提示。その瞬間、累積警告により決勝戦のピッチに立てないことを悟ったネドベドは、両手で顔を覆ってひざまずいた。

 このシーズンにおけるユベントスの大黒柱がネドベドであることは誰もが認知していただけに、試合後に勝者であるはずの彼が流した涙は、この上なくエモーショナルなワンシーンとして人々の記憶に刻まれることとなった。

 ちなみにCLでは、2014-15シーズンから準々決勝終了後に累積警告がリセットされるルールが採用されているが、それがファンの間で「ネドベド・ルール」と呼ばれる理由はそこにある。

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