2020.04.23

デ・ブライネは現代的プレーメーカー。
過去の名手にはない特徴とは

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

<ニアゾーン進入と高速クロス>

 デ・ブライネはクロスボールの名手だ。

 右サイドからの低くてスピードのあるクロスは、彼のトレードマークとなっている。強いインパクトから、高速で、しかもピンポイントのクロスを蹴る。マンチェスター・シティの得点源だ。

 クロスはプレーメーカーというより、ウイングの仕事だった。古くはスタンリー・マシューズ(イングランド)にように、ドリブル突破とピンポイントクロスのセット。これは今も依然として重要で有効な攻め手である。ディエゴ・マラドーナ(アルゼンチン)やクライフもサイドへ回ってすばらしいクロスから得点のお膳立てをしていた。

 ただ、デ・ブライネがそうしたクロスの名手と違うのは、ドリブルを使わずキックの質で勝負しているところだ。その点はベッカムと似ている。

 だが、デ・ブライネは"それ"専門というわけではない。サイドに張ってクロスを供給する役割ではなく、タッチラインからもう1つ内側のエリア、ここではニアゾーンと呼ぶとすると、デ・ブライネはニアゾーンへの進入からのクロスを得意としている。つまり、クロスの質だけでなく、ニアゾーンへの進入がセットになっているのだ。