デル・ピエロの驚愕のシュートは「世代交代のシグナル」だった (4ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO


 実際に起こったシーズン終了後のバッジョ放出劇は、デル・ピエロの価値を雄弁に物語っていた。

 それだけではない。翌1995−96シーズン終了後には、スクデット獲得とチャンピオンズリーグ制覇に貢献したエースストライカーのヴィアリと"銀狐"ファブリッツィオ・ラバネッリを放出したが、すべてはデル・ピエロ中心のチームを作るため。

 その後、ユーベはアレン・ボクシッチ、クリスティアン・ヴィエリ、フィリッポ・インザーギ、ダヴィド・トレゼゲと一流ストライカーを迎え入れたが、2トップの一角はずっとデル・ピエロのものだった。

 前述のフィオレンティーナ戦のゴールや、2002年11月のトリノ戦でパベル・ネドベドのFKに対してニアサイドに飛び込み、背面に来たボールを左足のヒールで合わせたゴールなど、ファンタスティックなシュートも印象的だが、真骨頂は左45度からの正確無比なミドルシュートだろう。

 いわゆる、デル・ピエロ・ゾーン。

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