2020.04.10

なぜ現代最強フットボーラーなのか。
ファン・ダイクのすごさと唯一の欠点

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

 このシーズンでプレーした全50試合でファン・ダイクは一度も相手にドリブルで抜かれたことがなかったという。プレミアリーグでの空中戦勝率は76.6%。1対1の強さが圧倒的で、空中戦も無敵、ボールを持った時には落ち着き払っていて、正確なロングパスを供給できる。

 オランダのサッカーではCBの左側は左利きが原則だ。しかし、ファン・ダイクは右利きの左CBである。パスのアングルが狭くなるのが難点だ。ただ、所属のリバプールは自陣からビルドアップするというより、縦へロングボールを供給して攻め込んでいくスタイルなので、ファン・ダイクの利き足は大して問題視されていない。右足のフィード力はすばらしく、左足も蹴れないわけではない。

 センターバックはフィジカルエリートのポジションだ。

 まず背が高くないと務まらない。そんなに長身でなくても世界的なCBはいるが、基本的にはGKと同じで185cm以上が普通である。クロスボールやロングボールに対して、CBは先に動くことはあまりなく、来たボールに対して迎撃する形になる。駆け引きがアタッカーほど使えないので、単純に高さは重要なポイントになるのだ。