レアルを救った2人のポルトガル人。
カギは「敵をKOする力」だった

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

 新たな背番号7は、「Pegada」の化身のようだった。2010-11シーズンは、40ゴールで得点王に。彼が攻撃を引っ張ることで得点力は高まり、シーズン最多の102得点を記録した。リーガ、CL(準決勝)はグアルディオラ・バルサの後塵を拝したものの、スペイン国王杯決勝はロナウドのゴールでタイトルを勝ち取った。

 2011-12シーズンは、モウリーニョ体制の集大成と言える。リーガでは史上最多の100勝ち点、121得点。グアルディオラ・バルサに土をつけ、破格の強さで優勝した。「Pegada」が炸裂したのだ。

 モウリーニョは、守備戦術のイメージが強く残る。会見では横柄、狷介(けんかい)な受け答えをして不評を買ったし、たびたびトラブルも起こした(2011年スペインスーパーカップでは、バルサのコーチの目に指を入れて攻撃した)。しかし、「Pegada」を発動させる手際は見事だった。3年目は3大タイトルすべてを逃し、チームを去ることになったが、レアル・マドリードは勝利の精神を取り戻した。

「Pegada」を象徴するロナウドは、CLでは歴代最多となる7回の得点王(1回はマンチェスター・ユナイテッド時代)に輝いている。同大会の歴代得点数も1位。そしてレアル・マドリードに4度のCL戴冠をもたらすことになる。
(つづく)

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