エムバペに続く「至宝」も。ビッククラブが狙う仏産「金の卵」たち (4ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO


 パリ・サンジェルマンでのトップデビューはアワールと同じ2016−2017シーズンだが、イコネの場合はその冬のマーケットでモンペリエにローン移籍。U−16からU−21まで常にフランスの世代別代表でプレーしたイコネだったが、残念ながら当時のウナイ・エメリ監督のお眼鏡には適わず、モンペリエで修行を続けることとなった。

 転機となったのは2018年夏、リールへの完全移籍だった。そのシーズンのリールはクリストフ・ガルティエ監督のもと、4−2−3−1の前線4人が見事にハマって2位に躍進。イコネは主にトップ下としてスタメンに定着し、眠っていた才能をようやく開花させることに成功した。

 最大の持ち味は、何と言ってもスピードとパワーを生かした果敢な仕掛けだろう。ボールを受けてからの速さとスキルは一級品で、相手DFにとっては一瞬たりとも目が離せない、実にやっかいなタイプの選手と言える。

 シュート精度も含めて荒削りな部分は否めないが、それだけに可能性は無限大。昨年9月には負傷したエムバペの代わりにフランス代表に初招集され、途中出場ながらデビュー戦で代表初ゴールも記録している。

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