エムバペに続く「至宝」も。ビッククラブが狙う仏産「金の卵」たち (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO


 ヨーロッパサッカー界に定着したその法則により、いまやフランス人選手の争奪戦は移籍マーケットにおける風物詩的なトピックスになった。それこそ、世界に先駆けて育成システムを体系化し、かれこれ50年にわたって時代に合わせたモデルチェンジを繰り返してきた「育成大国の歴史の産物」と言えるだろう。

 そして、その供給元となるリーグ・アンでは、今シーズンも次の移籍マーケットで人気銘柄となりそうな"金の卵"がいくつも産み落とされている。

 その筆頭とされるのが、18歳でトップデビューを果たして以来、リヨンの主軸MFとして右肩上がりの成長を続けるフセム・アワールだろう。

 パリ・サンジェルマンのキリアン・エムバペと同じ1998年生まれのアワールは、現在21歳。11歳からリヨンの育成センターで育った歴代屈指のタレントで、リヨンの先輩にあたるベンゼマやナビル・フェキル(ベティス)と同じアルジェリア系フランス人だ。

 最大の特長はドリブルテクニックとパスセンスにあるが、単に技術に優れただけのタレントではない。とりわけ、自らの技術を試合で表現する方法を熟知するそのサッカーセンスには非凡なものがあり、実はそれこそがアワール最大の魅力だ。

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