バルサの伝統の結晶であるメッシは、バトンを渡すことができるか (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

「僕が勝ちたいと思うのは、ピッチに入った時だけ。プライベートは放っておいてほしい」

 筆者は、10代だったメッシにインタビューをしたことがあった。メッシは訥々(とつとつ)と、しかし確信を込めて話した。

「サッカーをする時は、どれだけプレッシャーをかけられても気にしません。試合では、負けたくないという思いでピッチに立つだけ。特別な練習? ジムで体を鍛えるとか、そういうのはしたことありません。普通にみんなと練習をやってきただけです」

 メッシはトレーニングから、相手に襲い掛かるようにプレーしていた。人並外れた集中力で、相手の弱点を察知し、味方のいいプレーを取り込む。なにより練習における鍛え方の強度で、他に勝っていたのだ。

「自分は長くプレーしてきたけど、メッシは唯一無二の存在さ」

 オサスナで20シーズン近くプレーしたフランシスコ・プニャルは、ロナウド、リバウド、フィーゴ、ジネディーヌ・ジダンなど、さまざまなスーパープレーヤーと対峙してきたが、メッシは異様だったという。

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