バルサの黄金時代を築いた男。グアルディオラは何をもたらしたのか (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

 たとえばアンドレス(・イニエスタ)は、左サイドで1対1を外せるけど、トップ下でも貴重なゴールに絡めた。人だけでなくボールも速く動いて、カオスのように見える。でも秩序があって、バルサではパスコースを見つけなくていい。それはすでに存在しているのさ」

 グアルディオラのバルサは1年目でリーガ、スペイン国王杯、チャンピオンズリーグ(CL)の3冠を達成した。2年目はリーガ、クラブワールドカップ(クラブW杯)、3年目はリーガ、国王杯、CL、4年目はクラブW杯、国王杯。指揮をしたすべてのシーズンでタイトルを勝ち取った。最後こそ減速したが、バルサの「最強時代」と言えるだろう。

「まるでボールを持てなかった。こんなチームと対戦したことはない。彼らは勝利に値した」

 2010-11シーズン、CLの決勝でバルサと対戦し、3-1と敗れたマンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督(当時)は、そう言って白旗を上げた。3割強程度しかボールを保持できず、19本ものシュートを浴びた。サーの称号を得た老練な指揮官が、手放しで称賛を送るほどだった。

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