バルサとロナウジーニョの眩しい記憶。置き土産はメッシだった (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

「サッカーボールを見るだけで、やる気が出てくる。イメージが湧くんだよ。小さいころから、ボールを手放さなかった。自分のスイッチは、ボールに触れるとオンになる」

 ロナウジーニョは、感情をプレーで表現できた。ピッチの詩人というのだろうか。本人に気取りはなく、楽しめる達人だった。

 2004-05シーズン、ロナウジーニョを擁したバルサは6年ぶりにリーガ・エスパニョーラ優勝を果たしている。

 特記すべきは、その天才性をラ・マシアが支えた点だ。

 GKビクトル・バルデスは足技に優れ、ボールを供給できた。DFカルレス・プジョルは不屈のディフェンスで攻撃を鼓舞。MFシャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタの2人は、世界最高レベルのプレーメイキングを見せた。そして17歳のリオネル・メッシがデビューを飾っている。

 ロナウジーニョを中心に、チームは化学反応を起こしていた。

 フランス代表リュドヴィク・ジュリ、メキシコ代表ラファエル・マルケス、オランダ代表ジョバンニ・ファン・ブロンクホルストは、名脇役だった。スウェーデン代表ヘンリク・ラーションは記録以上に記憶に残った。交代出場が多かったが、老獪なプレーで貴重なゴールを決めた。

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