プレミアリーグも大ピンチ。コロナの影響で今季終了なら損失額は1023億円 (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO


 かなり具体的な措置を含めての報道だったことから、関係者から情報が漏れ伝わっていた可能性は高い。

 ところが、同日の12日に行なわれた緊急会議で、プレミアリーグは週末の試合を通常通り行なうと発表した。「屋外でのイベント中止の効果は限定的である」とのボリス・ジョンソン英首相による当時の見解を受けてのもので、正直、筆者もリーグ続行の決断には驚いた。

 だが、「続行」の発表直後にアーセナルのミケル・アルテタ監督とチェルシーのFWカラム・ハドソン=オドイの感染が発覚。監督や選手に陽性反応が出たことから方針の変更は不可避となり、プレミアリーグは翌日の緊急会議でリーグ中断を決めた。元イングランド代表DFのガリー・ネビルが「監督に感染者が出るまでプレミアリーグは動かなかった。恥ずべき行為」と強く批判したのは、そのためだ。

 現在、英2部ダービー・カウンティでプレー中のFWウェイン・ルーニーも「選手、スタッフ、家族にとっては不安な1週間だった。中断決定までの対応は、サッカー選手をモルモットのように扱っていると感じた。自分が感染し、家族が重症化したら現役を続けるかどうか真剣に考えていたと思う。そうなれば、当局を決して許さない」とし、もっと早いタイミングで中断を決断しなかった英国政府やイングランド・サッカー協会に怒りをぶつけた。

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