バルサに嫌われたオランダ人。暗黒時代を経てシャビ、イニエスタへ (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by ANP Sport/AFLO

 クラブはオランダ色を薄めるように、ほかの国の選手たちを獲得している。アルゼンチンからハビエル・サビオラ、ブラジルからファビオ・ロッケンバック、ジェオヴァンニを次々に補強したが、チームに適応させられなかった。ロッケンバックなどは無理に打つロングシュートが代名詞となり、サッカーをする子供が的外れなシュートを打つと、「ロッケンバック!」と揶揄されたものだ。

 2000-01シーズンはロレンソ・セラ・フェレールが指揮するが、4位。2001-02シーズンも、カタルーニャ人監督のカルレス・レシャックが率いたが、やはり4位と低迷した。"バルサの暗黒時代"だ。ファン・ハールはその戦犯と言われる。

 にもかかわらず、2002-03シーズン、ファン・ハールは再度招聘されている。軋轢のあったブラジル代表のリバウドを追い出し、アルゼンチン代表のフアン・ロマン・リケルメを獲得した。しかし自分のシステムに選手を当てはめることに固執し、ファンタジスタとは折り合いをつけることができなかった。カンプノウでの成績は極端に悪く、2003年1月にセルタに敗れて13位になると、解任された(シーズン最終順位は6位)。

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