低迷していたバイエルンを立て直した新監督。譲れない点が2つある (2ページ目)

  • 鈴木達朗●文 text by Suzuki Tatsuro
  • photo by Getty Images

 昨年の12月7日、第14節に敵地でボルシアMGに敗れたのを最後に、バイエルンは公式戦15戦無敗。リーグ戦11試合では、10勝1分と圧倒的な強さを取り戻した。その最大の要因として、フリックはチームの軸が固まったことを『シュポルト・ビルト』のインタビューのなかで挙げている。フリックによれば、次の6人がチームを支える軸となっているようだ。

 まずは、ドイツ代表でも不動の守護神であり、主将も務めるマヌエル・ノイアー。フリックはノイアーに正GKとしての絶対的な地位を与え、ペップ・グアルディオラ時代のように積極的にペナルティーエリア外でプレーに絡む"スイーパー"の役割を果たすように要求した。

 また、地元の生え抜きで20年以上もクラブに所属し、バイエルンのアイデンティティを象徴するトーマス・ミュラーも、リーダーのひとりとしてチームの中心に据えている。そして攻撃では、世界最高のストライカーのひとりであるポーランド代表のロベルト・レバンドフスキが先端に構える。

 ボールを保持し、"試合を支配する"ことを目指すバイエルンで、最も重要なダブルボランチには、スペイン代表の技巧派チアゴ・アルカンタラとドイツ代表の心臓とも言えるヨシュア・キミッヒが並ぶ。いずれもペップ・グアルディオラ時代に"重用された"選手であり、技術、インテリジェンス、献身性を兼ね備えた、世界屈指の組み合わせだ。

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