南野拓実はミスを犯したGKのもとへ。仲間への気遣いに心が洗われた (5ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO


 延長戦の前半が終わったタイミングで、リバプールのメンバーはユルゲン・クロップ監督が中心となって円陣を組んだ。南野もそっと輪の中に入ると、まずポンと肩を叩いたのが、リバプールの2点目を決めたフィルミーノだった。

 ホームのアンフィールドで337日間にわたりゴールのなかったブラジル代表FWを祝福し、次に声をかけたのが、失点直結のキックミスをしたアドリアンだった。ひと言ふた言、33歳のスペイン人GKに言葉をかける南野。さらに試合後も、すぐに歩み寄って励ましていたのが、気落ちしていたアドリアンだった。

 英国でも新型コロナウイルスの感染者と死者が増加し、暗いムードが漂い始めている。日増しに重苦しさと息苦しさが蔓延し始めているなか、南野拓実がチームメイトに見せた心遣いに、少し心が洗われた気がした。

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