リーガも無観客試合に。誰もいない
カンプノウで聞いた音に感じたこと

  • 中島大介●文 text by Nakashima Daisuke

 スペインサッカー界への新型コロナウイルスの影響は、2月28日に行なわれたヨーロッパリーグ(EL)ベスト16の抽選会で、ヘタフェの相手がインテルに決まった瞬間からささやかれ始めた。

 現在、イタリアは欧州諸国の中で感染者数が最も多い。2月23日には北部ロンバルディア州などで封鎖措置が取られ始め、ベネチアで開催中だったカーニバルは期間を前倒して終了した。それらはスペインのテレビでも報道されたが、まだスペイン本土では感染者がほとんど出ていなかったこともあり、あくまで対岸の火事のように扱われていた。

 そんななかでELの抽選会が行なわれ、スペインのチームとロンバルディア州ミラノのチームとの対戦が決まった。そして思い起こせば、チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦のバレンシアの相手も、同じくロンバルディア州のアタランタとなっていた。

 その後、イタリア国内でのさらなる感染者の増加を受け、セリエAでは無観客の試合が行なわれた。スペイン保健省のスポークスマンは、定例会見で「イタリアでは無観客で試合が行なわれているにもかかわらず、スペイン国内で相手チームのサポーターを受け入れて試合を行なっていいのだろうか」と、疑問を呈した。CLやELとなると、何千人という規模のファンが国境を越えて移動するからだ。

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