ロナウジーニョ逮捕の裏に犯罪組織のニオイ。いったい何が起きたのか (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 翌6日、彼らは法廷で、パスポートとIDカードは同行していたウィル・モンデスから20日前にブラジルでプレゼントされたもので、自分たちは何も知らないと供述した。一時は「彼らは巻き込まれただけ」で釈放され、首都アスンシオンのホテルに泊まり、早朝の飛行機でブラジルに帰る予定だった。

 しかし、この事件にパラグアイの関係者は激怒した。検察当局も、事件には裏があると重く見て、2人はその夜の8時にもう一度拘束され、留置所に勾留されることとなった。彼らは国選弁護士から歯ブラシと石鹸が差し入れられ、ウーバーイーツで頼んだマクドナルドのハンバーガーを食べた。翌日の朝食はとらなかった。勾留は48時間しかできないので、そのぎりぎりまで留め置かれ、その間に、釈放するのか、それとも正式に逮捕・起訴されるのかが決められる模様だ(現地7日現在)。

 それにしても、わからないことが多すぎる。ロナウジーニョは選手としても、引退してからも、何度もパラグアイなど南米各国に行っている。ブラジルのIDカード示すだけで、入国できることは十分知っていたはずなのに、なぜわざわざ偽のパラグアイパスポートを提示したのか。

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