久保建英ら日本人選手への影響は?FIFAがレンタル移籍を来季から制限 (5ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO


 今回合意されたローン移籍制限の対象を22歳以上としたのも、「選手の育成にとって、有効かつ公正な目的を実現するための新ルール」とわざわざ謳ったのも、すべてはローン移籍の目的を利益の追求ではなく、若手育成に主眼を置いたものに軌道修正するためである。

 今回の発表に合わせて、FIFAが移籍金の1パーセントを徴収して育成補償金の支払いの一部に融資するための基金を創設したのも、そこに狙いがあるからにほかならない。

 それを踏まえて今後を考えると、ローン移籍で選手を獲得する側は、限られたローン移籍枠を22歳以上の未知数の新戦力に使うより、緊急補強時の確実な即戦力、もしくは青田買いした若手選手の猶予期間として、その枠を使う傾向が強くなることが予想される。

 すなわち、22歳以上の日本人選手がオプション付きローン移籍で海外クラブに移籍するケースが減少することは必至だ。

 たとえば、FC東京からチェゼーナ(イタリア)にローン移籍した長友佑都、最近では柏レイソルからゲンク(ベルギー)にローン移籍した伊東純也のような例が稀になることは間違いない。海外移籍を望む大卒Jリーガーにとっては、そのハードルがこれまで以上に高くなるわけだ。

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