久保建英ら日本人選手への影響は?FIFAがレンタル移籍を来季から制限 (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO


 たとえば、英国『フィナンシャル・タイムズ』紙によれば、1992年の欧州5大リーグの移籍市場のなかでローン移籍が占めた割合はわずか6%だったのに対し、10年後の2002年には20%に、そして2019年には29%に増加したという。

 しかも、出場試合数による買い取り義務、共同保有方式など、ローン移籍の形態も複雑化した。そのなかで、UEFA(ヨーロッパサッカー連盟)が施行する「フィナンシャルフェアプレー(クラブの財政を健全化するためのルール)」をかいくぐるための抜け道として、脱法的なローン移籍も発生するようになった。

 2017年の夏、パリ・サンジェルマンが1億8000万ユーロ(約236億円)という高額な金額での買い取りオプション付きローン移籍によって、モナコからキリアン・エムバペを獲得したことがその典型例だ。

 同時に、移籍市場で目立つようになったもうひとつの現象が、貸出を前提に有望な若手を格安で青田買いするビッグクラブの出現だった。その手法の使い手としては、イングランドのチェルシー、マンチェスター・シティ、以前のアーセナルなどがよく知られている。

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