国王杯決勝はバスクダービーに。「育て、鍛える」土壌が名選手を生む (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Reuters/AFLO

 バスク人選手は、バスクのクラブだけでなく、様々な場所で活躍している。国王杯準決勝でレアル・ソシエダに敗れた2部ミランデスも、実は主力はバスク人選手。ここにきて柴崎岳のデポルティーボ・ラ・コルーニャが挽回できたのも、サビン・メリーノ、アヘル・アケチェ、エネコ・ボベダ、ペル・ノラスコアインなどバスク人選手のおかげだ。

 また、チェルシーのケパ・アリサバラガ、セサル・アスピリクエタ、マンチェスター・シティのエリック・ラポルト、バイエルンのハビ・マルティネスなど、"バスク産選手"はヨーロッパを舞台に戦っている。

 なにより、バスクの伝統は引き継がれる。アスレティック・ビルバオのガイスカ・ガリターノ監督、レアル・ソシエダのイマノル・アルグアシル監督は、どちらもそれぞれのクラブの下部組織の出身選手だった。指導者として戻ってBチームを率い、トップチームを任されている。人を育て、鍛えてきたひとつの結実だ。

 バスクダービーとなった国王杯決勝は、4月18日、セビージャを舞台に行なわれる。キーマンは、アスレティック・ビルバオがイニャキ・ウィリアムス、レアル・ソシエダがミケル・オジャルサバルか。どちらもバスクサッカーの今後を担う選手である。


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