バルサ&レアルにワクワク感が喪失。メッシ頼みや見えない新機軸 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

 キケ・セティエン監督は、そのクライフサッカーの信奉者だと言われる。バルサの監督に招聘された理由もそれと深い関係にあるのだろう。しかし、就任して10試合あまり、現在のバルサのサッカーにはそうした特別な匂いはしない。バルサらしくないとされた前任監督、エルネスト・バルベルデのサッカーから原点回帰を図ったとされるが、目指すべき軌道から逆に離れてしまっている印象だ。バルサはワクワク、ドキドキ感を年々、確実に喪失させている。

 3月1日、バルサはレアル・マドリードに4-4-2で臨んだ。2トップはリオネル・メッシとアントワーヌ・グリーズマン。その下の中盤にアルトゥーロ・ビダル、アルトゥール、セルヒオ・ブスケッツ、フレンキー・デ・ヨングの4人が構えたが、この並びは中盤フラット型にしては真ん中に固まりすぎていた。強いて言えばボックス型に近い。その4-4-2はつまり、4-2-2-2と言えた。

 その4日前、ナポリと戦ったチャンピオンズリーグ(CL)でも、バルサはこれに限りなく近い布陣で戦っている。かつて、ブラジルサッカー界に広く浸透していた布陣だ。日本では、加茂ジャパンやジーコジャパン時代に採用されていた。

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