南野拓実はリバプール移籍後ノーゴールだが、福田正博は心配していない (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 ベンチ経験の乏しい選手だと、メンタルが崩れるケースもある。代表クラスの選手は幼少期からずっとチームの主力で、スタメンを外れることはほとんどないため、スタメンを勝ち取るためのアピールの仕方がわからないこともあるからだ。

 もちろん、南野は与えられた出場機会のなかで、少ないチャンスを確実にモノにしなければならない。リバプールのような世界有数のクラブは、常に"期待の新星"が加入してくる。新戦力が台頭すれば、競争はさらに激しくなっていくだろう。

「チーム内競争」とよく言われるが、たとえば中堅クラブの場合、選手層に限りがあるため、能力の高い選手はミスが続いても起用せざるを得ないケースが現実にはある。しかし、世界中から優秀な選手が集まる欧州のビッグクラブでは、チャンスで確実に結果を残せなければ、代わりの選手はいくらでもいる。

 また、すでに結果を残している信頼度の高い選手のチャンスは増えるが、結果を出していない加入直後の選手には好機でパスが回ってくる回数は少ない。これはどのチームにも言えることだが、リバプールなら、ロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネ、モハメド・サラーの3選手がゴール前にいたら、南野よりも彼らにボールが渡るということだ。

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