久保建英、存在感示すも勝利は遠く。マジョルカの残留に必要なものは? (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by MarcaMedia/AFLO

 そして終盤、久保は存在感を示した。

 左サイドからのFKで、キッカーがボールを中央に放り込まず、久保は足元でパスを受けている。技術の高さが信頼されている証拠だろう。1対1の勝負を果敢に挑んだ久保は、抜け切ってファウルで止められた、と思われた。結果、久保のファウルという判定となったのだが、これに怒ったベンチがイエローカードを提示されている。ゴールにはつながらなかったが、チームをけん引する久保の立場を象徴していた。

 もっとも、日本人FWはチームを救うほどのプレーはできなかった。スペイン大手スポーツ紙『マルカ』は、0(最低)~3(最高)の4段階の評価で1。「可」の評価だが、「不可」ではないと言ったところか。

 一方、もうひとつの大手スポーツ紙『アス』は久保のプレーを評価する記述をしている。

「マジョルカは、(アンテ・)ブディミルの欠場で前線が不発。クチョ(・エルナンデス)は(デコナン・)ジェネに屈し、ラゴはプレーが不明瞭で、サルバ・セビージャは輝かず、ダニ・ロドリゲスはスペースに走るので精一杯だった。唯一できたのは、久保に主役の座を与えることだ。彼は何度か目覚ましいプレーを見せた。しかし、相手GKを脅かすには至っていない」

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