レアル・マドリードがピンチ。
首位攻防のクラシコは大幅にプラン変更

  • 高橋智行●文 Takahashi Tomoyuki
  • photo by Getty Images

 迎えた第24節セルタ戦、アザールは戦列復帰を果たすと、3カ月間のブランクを微塵も感じさせず、セルヒオ・ラモスが決めたPKを誘発して、チームトップのパフォーマンスを披露したのである。

 ところが、つづく復帰2戦目のレバンテ戦で右足腓骨の亀裂骨折のケガを負ってしまった。復帰まで2~3カ月かかると見られており、今季ほぼ絶望。チームはこの試合でリーガ16試合ぶりの敗北を喫してバルセロナに首位の座を譲り、2位でクラシコに臨むことになった。さらに、マンチェスター・シティとのCLラウンド16第1戦でもまさかの逆転負けを喫している。

 これまでの堅固な守備から一転、ここ5試合連続失点はもちろん不安要素だが、それ以上に得点力不足が懸念されている。最近はセルタと引き分け、レバンテ、マンチェスター・シティに敗れ、3試合未勝利だ。

 セルヒオ・ラモスはレバンテ戦後、「シーズンを通じてこれまで、誰も僕たちを得点力不足なんて言っていなかった。ここ数試合の悪い結果でそれを話すのはひどいよ。僕たちはチャンスをつくっている」と苛立ちながら反論。だが、得点力不足は今に始まったことではなく、シーズン開幕当初から指摘されていた。

 原因は、得点をカリム・ベンゼマひとりに頼ってきたことが挙げられるだろう。6000万ユーロ(約72億円)で入団したルカ・ヨビッチがその金額に見合った活躍をできず、ガレス・ベイルはケガもあり安定性を欠き、ロドリゴは一時期の存在感が薄れている。

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