データ上、クルトワはリアルSGGK。しかし数字は、ときに嘘をつく (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

「シュートを打たせないのが、真に一流のGK」

 それが至高のGKが達するべき境地と言われる。ディフェンスと密に連係し、コースを消し、できるだけシュートを打たせない。数字には出ないセービング率だ。

 CL決勝トーナメント1回戦でアトレティコ・マドリードのスロベニア代表GKヤン・オブラクは、リバプールに決定的シュートをほとんど打たせず、見事に完封した。華やかなセービングはなかった。カバーに入ったディフェンスの顔面ブロックに「救われた」とも言えるシーンもあった。しかしディフェンスと連係し、正しいポジションを取り、体勢を作って相手をけん制し、どのシュートも"外れさせた"のである。

 数字はひとつの目安で、すべてを語るわけではないということだ。

 ちなみに、エリア外阻止率が100%のGKは、クルトワのほかに3人いる。ブラジル代表GKアリソン(リバプール)、ポーランド代表ヴォイチェフ・シュチェスニー(ユベントス)、スペイン人GKウナイ・シモン(アスレティック・ビルバオ)だ。そしてアリソンはエリア内阻止率も76.9%で、クルトワをも凌いで欧州の有力トップリーグのナンバー1である。



4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る