バルサに見る4-3-3の長所と短所。模範となるべきシステムなのか (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Getty Images

 4-3-3は運用が極めて難しいシステムと言える。相当に技術・戦術レベルの高い選手と、連係の精度が求められる。

 2月25日、ナポリ。CLラウンド16で、バルセロナは守りを固めたナポリを相手に、ボールを握って優位に戦っている。しかし前半30分、自陣でジュニオール・フィルポがボールを失い、裏を取られてカウンターを浴び、あえなく先制を許す。ボールをつなぐという意思がミスに転じた。

 一方、下部組織から一貫してこの戦いをしているバルサは、攻撃力も見せつける。後半12分、セルヒオ・ブスケッツがリオネル・メッシとパス交換でリズムを作り、くさびの戻しをダイレクトで右サイドへ。ボールの出し入れで防御線を突破し、折り返しをアントワーヌ・グリーズマンが決めた。

 4-3-3で戦う短所と長所が出たゲームと言える。

 ボールをつなぐことは攻撃に直結する一方、難しい行為だけにスキが生まれる。そこを手ぐすねを引いて待つ守備に狙われる。ハイラインでボールを失った瞬間、丸裸にされてしまうだけに、"ボールを失わない"技量が必要なのだ。

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