ロナウド、沈黙。リヨンが大博打に
勝ってユベントスから大金星

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO


 中盤センターでコンビを組むリュカ・トゥザールが前に出て攻守両面にわたって活躍できたのも、その背後を管理するブルーノ・ギマランイスに対する信頼があったからこそ。アワールが左サイドをえぐってから生まれたトゥザールの決勝ゴール(前半31分)は、そういう点でも必然から生まれたゴールだった。

 守備面では、3バックと両ウイングバックがつるべ式の動きでスムーズに左右にスライドし、とくに3バックの右に入ったジェイソン・デナイヤーと、故障から復帰したばかりのレオ・デュボワによる抜群の受け渡しで、クリスティアーノ・ロナウドを封じ込めることに成功。守備時には全体がコンパクトな3−4−2−1に可変したことで、押し込まれた終盤になっても相手にスペースを与えることはなかった。

 いずれにしても、こうして伸るか反るかの大博打に成功したリヨンは、数字上はベスト8に向かって一歩前進した格好だ。

 とはいえ、3月17日にユベントスのホームで行なわれる第2戦を展望した場合、先勝したリヨンが必ずしも有利とは言えないのが実際のところだろう。ホームで圧倒的な強さを誇るユベントスがこのまま眠り続けて敗退するとは考えにくく、逆にリヨンはチャレンジャー精神を保ちにくい状況で格上に挑まなければならないからだ。

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