ライプツィヒ、アタランタらが先勝。
CLは「無欲」が下馬評を覆す

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

 ドルトムントとパリ・サンジェルマン(PSG)の力関係は、何年か前ならばほぼ互角だった。だが、PSGが豊富な資金力を背景に世界的な選手を抱えるビッグクラブに成長したのに対し、ドルトムントはいささか小粒になった。PSGが順当勝ちするのではないか。それが戦前の予想だった。

 しかし、結果は2-1でドルトムントの勝利に終わった。PSGは欧州を代表する金満クラブながら、CLではいまだ決勝進出を果たしていない。2度進出したことがある準決勝も、"リベリアの怪人"ジョージ・ウェアを擁した1990年代の話だ。金満クラブとなってからはベスト8止まり。その敗戦の多くが、下馬評で上回りながら番狂わせを許すパターンだ。

 この試合も例外ではなかった。選手の名前が戦力に反映されていない、勢いのない脆弱なサッカーをした。ドルトムントは逆に勢いを感じさせるよいサッカーをした。2ゴールを挙げた19歳のCFアーリング・ブラウト・ハーランド(ノルウェー代表)とドリブルが切れる右ウイングのジェイドン・サンチョ(イングランド代表)。この若い2人が牽引する攻撃こそがこのチーム最大の魅力だ。

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