南野拓実、悔しさ露わ。クロップ監督は「スタジアムの持つ力」を実感 (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材 text by Tajima Kosuke
  • 中島大介●撮影 photo by Nakashima Daisuke


 リバプールの苦戦は、スタッツが示している。

 この日、リバプールは前半71%、試合合計で67%のボール支配率を記録した。一時は75%のポゼッションをマークした。

 だが、枠内シュートは0本。ボールを握りながらも、決定的なチャンスはほとんど作れなかった。敵陣ペナルティエリア内でのボールタッチ数についても、前半30分までわずか1回しかなかった。

 本拠地ワンダ・メトロポリターノの雰囲気と声援も、A・マドリードを後押しした。試合前からサポーターの声量がすさまじく、ゴール裏3階席に陣取ったリバプールサポーターの声援を打ち消した。シメオネ監督は何度もスタンドを振り返り、自軍サポーターをあおっていた。

 試合後、ユルゲン・クロップ監督は「シメオネ監督は後ろを振り向いてばかりだった」と皮肉ったが、スタジアムの雰囲気も勝因のひとつになったように思う。

 奇しくも今回の会場であるワンダ・メトロポリターノは、9カ月前に昨季CL決勝でリバプールがトッテナム・ホットスパーを下して欧州王者に輝いた場所。しかし今回ばかりは、リバプールに風は吹かなかった。

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