ケガ人続出のアトレティコを、チーム最大の武器が大一番で後押しする (2ページ目)

  • 高橋智行●文 text by Takahashi Tomoyuki
  • photo by Getty Images

 得点力不足はシーズン開幕時からの課題だが、最近のアトレティコは、セットプレーでの失点の多さが目立っている。ゴディン在籍時は攻守にわたりセットプレーが大きな武器だったが、それもすでに過去の話。直近の試合となった2月14日のリーガ第24節バレンシア戦でも、2度のリードをセットプレーから追いつかれた。今季リーガとCLでは、総失点の45%に当たる9ゴールをセットプレーでやられている。

 ディエゴ・シメオネ監督はそのことについてバレンシア戦後、「今、我々は当時と同じ特長を備えておらず、攻撃も守備も違う形でやっている」と弁明し、トーマス・パーティは「集中しないといけないが、運がない時もある」と語っていた。欧州5大リーグでヘディングやCKでのゴールがもっとも多いリバプールを抑えるためには、早急な対策が必要となるだろう。

 そして、左サイドバックがチームのアキレス腱だ。シメオネはレナン・ロディのパフォーマンスに満足しておらず、すでに途中交代を10度行なった。守備の選手にしては非常に多い数字である。

 バレンシア戦では前半のうちにロディがイエローカードを受けたという理由はあったが、シメオネは今季、ロディ、サンティアゴ・アリアス、サウール・ニゲスと、3選手を左サイドバックに起用している。リバプール戦で対峙する相手はモハメド・サラーとなるため、シメオネがどのような対策を打つのか注目となる。

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