堂安律の秘めたる闘志。
出場激減に「すべては自分が悪い」

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

「高校2年生でトップチームに上がらせてもらったが、そのあとはトップチームに絡めずにずっとU-23チームのほうで練習していました。トップチームが20数人で練習していた時、(U-23チームは)3、4人しかおらず、リフティングしかしない練習とかもあった。そういう感覚に近いですね」

 さすがにPSVでは紅白戦もやっているが、「控え組を見てもらえてない」という心境は、堂安が17歳の時に感じたものに近い。だが、壁の乗り越え方は大きく異なる。

「あの時は正直に話すと、別にサッカーにすべてを注いでいなくても勝手に乗り越えられた感じがありました。けど、今はそうじゃない。もう子どものままじゃないので、プロとしての壁の乗り越え方は知っています。こういう時に人間の本質が現れてくると思うので、踏ん張って根気強くやっている状況です」

 心を鎮めて穏やかに話す堂安だが、悔しくないわけがない。本人もメンバー発表で自分の名前がスタメンにないと、「そのへんの壁を壊したいくらい、イライラしています」と打ち明ける。

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