本田圭佑の契約にボタフォゴファンは落胆。待ち受ける厳しい現実と希望の光 (4ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳translation by Tonegawa Akiko

 本田の敵はもうひとつある。リオデジャネイロの暑さだ。この時期のリオはとても蒸し暑い。冬の北半球から来た本田の体はまだそれに慣れていない。あと数カ月で34歳になり、ブラジルのサッカーについても肌で知らない選手が、この暑さのなかでチームの救世主になるのは、かなり難しいだろう。

 一方、希望の光もなくはない。ボタフォゴにとってではなく、本田にとっての希望の光だ。次期監督として、かつて鹿島アントラーズやセレッソ大阪の監督を務めたこともあるパウロ・アウトゥオリが就任のオファーを受諾したとの報道も出ている。アウトゥオリはリオ出身で、何度もボタフォゴを率いた経験がある。これは本田にとってかなり有利な人事だろう。アウトゥオリは日本のことを、日本のサッカーや日本人選手のメンタリティーも含めてよく知っている。また、彼は選手とよくコミュニケーションをとる監督として知られている。

 いずれにせよ、ボタフォゴは問題山積みだ。監督問題だけでなく、財政的にもひっ迫していて、選手たちの給料の支払いもかなり遅れている。本田の獲得には、あわよくば日本企業がスポンサーになってくれるのではないかという期待も、多分に含まれているだろう。

 本田の行く手には、いばらの道が待っている。




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