わずか32歳で名監督。ライプツィヒ・ナーゲルスマンの卓越した戦術論 (4ページ目)

  • 鈴木達朗●文 text by Suzuki Tatsuro
  • photo by Getty Images

 だが、ナーゲルスマンは、自身が影響を受けた監督にペップ・グアルディオラ(マンチェスター・シティ)を挙げる。そして、グアルディオラのサッカーのなかに、RBグループとの多くの共通項を見出しているのだ。

「ペップ・グアルディオラは、バルセロナで指揮していた当時から、RBのDNAにも組み込まれている要素を多く含んだサッカーをしていた。自分たちがボールを保持しながら、ゲーゲンプレッシングが機能するようにうまく準備をしていたんだ。ボールポゼッション自体は目的ではなく、ゴール前でチャンスをつくるための準備として行なわれていた」(ドイツメディア『SPORTBUZZER』)

 さらに、自身がウイングを使わない理由も詳しく解説している。

「理由の1つ目は、『ゴールは中央にある』。2つ目は、両サイドに人数を割けば割くほど、中央に置ける選手の数は少なくなる。だが、中央にうまく人数を多く配置できれば、カウンターを受けても、相手を自ゴールから遠ざけて守ることができる。対戦相手がカウンターからサイドを経由しなければならないとすれば、自分たちは撤退までの時間を稼ぐことができる。同時に、中央に人がいれば、ボールの後ろにゲーゲンプレッシングのための人数をより多く割くこともできる。

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