わずか32歳で名監督。ライプツィヒ・ナーゲルスマンの卓越した戦術論 (3ページ目)

  • 鈴木達朗●文 text by Suzuki Tatsuro
  • photo by Getty Images

 2010年には、ホッフェンハイムU-17のコーチに就任。当時、トップチームの監督としてプロジェクトを進めていたのは、現在はレッドブル(RB)グループのサッカー部門の責任者を務めるラルフ・ラングニックだ。彼はホッフェンハイムの監督を務めたあと、RBグループのライプツィヒやザルツブルグ(オーストリア)でスポーツディレクターや監督を務め、独自の戦術を駆使して躍進。また新進気鋭の監督も輩出している。

 ナーゲルスマンにとって、ラングニックがホッフェンハイムに残した遺産は大きなものだった。トップチームのアシスタントを務めながら、ユースチームでドイツ王者になるなどの結果を出す。そして16年2月にブンデスリーガ史上最年少28歳でのトップチーム監督就任。ラングニックの影響を受けつつ独自の色も出しながら、約3シーズン半、チームを率いた。そして今シーズンからライプツィヒの監督を務めている。

 戦術面に目を向けよう。現リバプール監督のユルゲン・クロップがドルトムント時代に成功を収めたおかげで、"ゲーゲンプレッシング"(カウンタープレス)がドイツサッカーの代名詞となりつつある。RBグループは、さらに組織的にこの戦術を体系化させたと見られている。

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