レアル・マドリードが好調を維持。
ジダンが見出したベスト布陣

  • 高橋智行●文 text by Takahashi Tomoyuki
  • photo by Getty Images

 守備面以外で目立つことを挙げるなら、ジダンがスーペルコパで新たなシステムを使用した点だ。それは、カゼミーロ、トニ・クロース、ルカ・モドリッチ、フェデリコ・バルベルデ、イスコの、MF5選手を同時起用する4-5-1である。

 MF陣では、ジダンはこれまでバルベルデを、モドリッチとの同時起用を極力避け優先的に使ってきた。バルベルデは今季の台頭が著しく、シーズン開幕時の獲得候補だったポール・ポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)の名を忘れさせている。"ボックス・トゥ・ボックス"のプレーヤーとしてピッチ全体をカバーし、2月1日のラ・リーガのマドリードダービーではその闘争心から最も拍手を受けた選手となった。

 一方、ケガとバルベルデの台頭により重要度が下がったかに見えるモドリッチも、ボールを動かす高い能力は健在で、得点に絡むシーンも増え、再びその存在感を高めている。

 クロースは、チームが失敗に終わった昨シーズンの戦犯のひとりに挙げられていたが、今季は完全復活を遂げ、シーズンを通して最も安定したパフォーマンスを見せている。これは、カゼミーロとバルベルデがダブルボランチを形成したことで、より自由にプレーできるようになったからだ。今季はこれまで以上にゴールに絡むシーンが多く、完璧なフィジカルコンディションでチームの司令塔として君臨。レアル・マドリード入団以降、最もすばらしいシーズンを送っていると思われる。

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