本田圭佑を迎えるボタフォゴの思惑。
ブラジルでは熱狂と疑念が待つ

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳translation by Tonegawa Akiko

「この元ミランの選手はどこから移籍してくるんだ?」「フィテッセでは何が起こった? なんでたった4試合でやめてしまったんだ?」......。本田が昨年、マンチェスター・ユナイテッドやミランにTwitterを通して逆オファーしたことも、笑い話のように伝えている。

 また、カンボジアの代表監督のようなことを務め、オーストリアではクラブチームを経営していた本田の心は、100%自分のプレーには向かっていないと、ブラジルのサッカー関係者からは見られている。

 いい意味でも悪い意味でも、本田が注目を集めているのは確かだ。彼の一挙手一投足は、祈るような数多くのサポーターと、あわよくば叩いてやろうというメディアの目を集めるだろう。一試合一試合が重要なものとなるはずで、これは大きなプレッシャーとなってのしかかるはずだ。

 だが、このプレッシャーを本田は歓迎するのではないか。彼はそういった選手であるような気がする。彼は単なるチームの一員になりに来たわけではない。本田はチームを率いる存在になろうとしている。

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