選手より高給取りのシメオネ監督。リーグで苦戦し求心力低下か (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Getty Images

 22試合で22ゴールと得点力不足は深刻だ。モラタは7得点と奮闘するが、ジエゴ・コスタは椎間板ヘルニアで離脱。バルサの総得点の半分にも及ばない。

 そこで冬のマーケット、クラブはウルグアイ代表FWエディンソン・カバーニの獲得交渉を進めていた。カバーニ本人とは当初から合意に達し、所属するパリ・サンジェルマン(PSG)との交渉も500万ユーロ(約6億円)から1800万ユーロ(約22億円)に移籍金を引き上げ(カバーニは今シーズン限りでPSGとの契約が切れるだけに、駆け引きが必要だった)、どうにか決着しそうだった。ところが、カバーニの代理人がボーナスを要求したことで、交渉は暗礁に乗り上げた。

 ただし代理人側はこれを否定。カバーニは給料ダウンも受け入れていたが、「アトレティコがPSGと交渉できていなかっただけ」と主張している。

「我々には、目標にたどり着くだけの戦力があると確信している」

 敗戦後も、シメオネはそう言って弱気を見せていない。シメオネ・アトレティコはどこへ向かうのか――。

 今年1月、アトレティコ・マドリードはスーペルコパ(スーパー杯)でレアル・マドリードに敗れ、タイトルを逃している。また、スペイン国王杯でも、2部B(実質3部)のクルトゥラル・レオネサに2-1で敗退。シメオネ・アトレティコの象徴だった「勝負強さ」がなくなってしまった。

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