マテラッツィは「VARが導入されて残念」。DF論と元同僚の長友を語る (5ページ目)

  • 栗田シメイ●取材・文 text by Kurita Shimei

――古巣のインテルは一時期の低迷期を脱したように映りますが、どう見ていますか?

「まず、2005-2006シーズンからクラブが5連覇を達成したことを忘れてはいけない。これはセリエAの歴史を見ても誇るべきことだ。ただ、俺が退団して以降の数シーズン、クラブは難しい時期に直面したね。毎シーズンのように監督が代わり、中位に沈むこともあった。でも、どれだけ優れたクラブでもこういった周期は経験するものさ。昨シーズンから好転の兆しを見せはじめ、今シーズンはいいパフォーマンスを見せている。新監督のアントニオ・コンテのもと、チームは生まれ変わったね」。

――上位争いに加わるなど好調をキープできている要因は?

「守備組織が機能し、前線にはロメル・ルカクとラウタロ・マルティネスという、欧州でもトップレベルの能力を持つ2人がいる。DFもディエゴ・ゴディンのような経験豊かな選手が(アトレティコ・マドリードから)加入し、安定感が増した。そしてコンテの戦術が浸透し、攻守のメカニズムがうまく機能している。今のインテルはスクデットを狙えるチームだ」

――最後に、日本サッカーの印象を教えてください。

「今回は2年ぶりの来日になるけど、日本という国が大好きだと再認識したよ。誰もがユウトのように礼儀正しく、節度がある。日本のサッカーに関しては、正直なところあまり見る機会はないけど、ロシアW杯の日本代表の試合は見たよ。守備面では改善できる部分があると思うね。W杯で上位に進出する国は、共通して強い守備ブロックがあり、個々のディフェンス力も高い。優勝したフランスや、伝統的にイタリアがそうであったように。しっかりと守れるチームになった時、日本はよりいい成績を残せるはずだよ」

■マルコ・マテラッツィ
1973年8月19日生まれ、イタリアのレッチェ出身。ペルージャ、エバートンなどを経て、2001年から10シーズンにわたってインテルでプレー。2011年に退団後、2014年から2016年までインドのクラブで選手兼監督を務める。イタリア代表には2001年に初召集され、2006年のドイツW杯では優勝に貢献した。

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