2020.01.28

元マリノス天野純と元レイソル小池龍太。
ベルギー2部で戦うふたりの今

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

「自分が思い描いていたシーズンとまったく違って、チームは負けてばかり。そうなると気分が落ち込んでしまい、2、3日は負けを引きずることもありました。

 言葉もできないから、簡単に気分を晴らすこともできない。今はもう大丈夫ですが、僕にとってベルギーでの1年目は、まるで修行のようです。おかげで精神が鍛えられました」

 ロッカールーム前のインタビューエリアから、天野はピッチを見据えるようにして言葉を続ける。

「たしかにテクニックは、僕たち日本人選手のほうがここの選手たちよりあるのかもしれない。だけど、この2部リーグのピッチの上には、俺の足りないものがいっぱい詰まっていた」

 天野の足りなかったものとは、プレー強度の高さと球際の激しさだ。しっかり連係をとって守備をするJリーグと違い、ベルギー2部リーグは文字どおり「飽くなき個と個の競い合い」が繰り広げられる。

「それは試合だけではない。練習の強度と激しさも、日本とは比べ物にならないですよ」

 一方で、ロケレン市民やファンの温かさに天野が救われることもある。たとえば、練習の一環として町中にランニングしに行くと、古くから応援してそうなファンが選手たちに「がんばれよ!」「応援しているぞ!」と励ましてくれるのだという。

「そんな光景、日本では絶対にないですよね。こういうのに触れると、『絶対にこのチームを降格させちゃいけない』という気持ちになります。

 スタジアムの雰囲気もいいです。横浜国際と比べるととても小さいスタジアムですが、声援がとても熱く伝わってきて、プレーしていて奮い立たされるんです。彼らのためにも、勝たないといけません」

 昨年11月からチームを率いているフレーフェン監督は現役時代「ファイター」として知られ、指導者としても試合後のコメントはメンタル面に言及することが多い。ルーヴェン戦後も「技術的には低い試合になってしまったが、選手たちはファイティングスピリッツを見せて、ベストを尽くしてくれた」と語っていた。