今季CLはビッグクラブが盤石。パリ、バルサ、ユーベが好調な要因は? (7ページ目)

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倉敷 ムサ・デンベレはどうですか? 移籍の噂も出ていますが。

中山 今季もゴールは量産しているのでどうしても引き抜きの噂が立ってしまいますが、一応、フロントは公式声明で放出拒否の姿勢を出しています。それより、個人的にはブレイクして3シーズン目のウセム・アウアーが年々進化しているので、負けるにしてもユーベ戦で爪痕を残してくれることを期待しています。複数ポジションをこなし、何でもできてしまう末恐ろしい21歳です。

倉敷 リヨンを見るときは、勝敗とは別の楽しみがあるのがいいですね。

 ユーベはサッリの色が出てきて、観ていて楽しいチームになってきました。ついにクリスティアーノ・ロナウドをフィニッシャーとして使い始めたので、チームの決定力が上がっています。サッリは初めからロナウドありきでチームづくりをしなかったので、ロナウドが自分から積極的にチームに馴染んでいったように思えるのが好印象ですね。ゴンサロ・イグアインの調子もいいし、パウロ・ディバラもいます。彼らとロナウドの関係もとてもいい。ユーベは強そうです。

中山 サッリは互角以上の相手だと3人のうち2人しか起用しない傾向がありますけど、リヨン相手だと試合開始から3人を同時起用してきそうですね。

倉敷 サッリは昨年暮れに「3人を同時に使えるシチュエーションは限られている」とコメントしましたが、汎用性は高そうな気がしますね。マッシミリアーノ・アッレグリ監督時代は、なかなか守備に貢献しないロナウドを使うリスクをカバーするため、ブレーズ・マテュイディが多くのエリアをカバーするタスクを負っていました。しかし、アドリアン・ラビオが加入し、マテュイディの負担はだいぶ減りましたね。それにロナウドも以前よりは守備をしています。

 課題はサイドバック。そしてセンターバックのマタイス・デ・リフトがまだ完全にはフィットできていないことでしょうが、トルコのメリフ・デミラルも非凡な才能を見せはじめ刺激しあっています。問題はそれほど大きくないでしょう。

中山 ユーベはGKも2人体制ですし、守備は盤石ですよね。

倉敷 ヴォイチェフ・シュチェスニーが肩を痛めて休んでいても、ジャンルイジ・ブッフォンが安定したパフォーマンスを見せていました。もともとはシュチェスニーがブッフォンの技術や人柄、選手としての振る舞いに憧れていたのですが、今はブッフォンが自らのミスについてシュチェスニーからアドバイスを受け、真摯に聞いていると伝えられています。ユーベはお互いにリスペクトを隠さない世界最高レベルのGKを2枚も持っているわけですから、長い戦いになっても心強い限りでしょう。

 CLラウンド16は2月18日からスタートしますが、第1戦、第2戦の前後に行なわれる国内リーグの戦いにも注目しましょう。冬の移籍マーケットで、大きな補強を行なうクラブがまだあるかもしれません。大事な一戦に向けどのチームがグンと調子を上げてくるか? クラブの真価が問われる戦いが楽しみですね。

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