三浦泰年がブラジルでサプライズ。田舎チームが奮戦、選手に伝えたこと (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳translation by Tonegawa Akiko

 今後も、ヤスがブラジルで監督をする可能性はあるのか? 答えを先に言うと、ありえると私は思う。ブラジルのテレビ局のコメンテーターも私と同じ意見だった。なぜなら貧しい片田舎のユースチームに、ヤスはサプライズを巻き起こしたからだ。

 この大会、ソコーロは初戦からリオデジャネイロの強豪フルミネンセU-20と当たってしまい、0-5で敗れた。大敗のように感じられるかもしれないが、コパ・サンパウロでは9-1や8-0といった結果も少なくない。そしてフルミネンセは、これまでのところベスト3に入る強さを誇るチームで、最も多くのゴールを決めている。

 フルミネンセの監督エドゥアルド・オリヴェイラは試合後にこう言っていた。

「我々はもっと多くのゴールを決めるつもりでいた。若手の力を見せるコパ・サンパウロでは、すべてのゴールが重要だからだ。しかし今日の試合は難しかった。この結果もかなり苦労して得たものだ。ソコーロの守備はよく組織されていて、とにかく簡単な試合ではなかったよ」

 ソコーロの2戦目の相手は、イトゥアーノU-20。今度は、クラブ世界王者やW杯優勝に輝いたジュニーニョ・パウリスタもかつてプレーしていた、近代的で金持ちのプロチームだ。トップチームはブラジル1部に所属しているので、そのユースにも優秀な選手がそろっている。彼らはトップチームに上がるため、力を見せる必要がある。その戦いは真剣だ。だが彼らは、半分アマチュアのソコーロに対し、2ゴールしかあげられなかった。

 この試合を見ていたジュニーニョ・パウリスタに、私は話を聞いた。

「今日、私のチームは今大会で一番いいプレーをした。我々は何が何でもセカンドステージに駒を進めなければいけないからだ。しかしソコーロは簡単には勝たせてくれなかった。選手たちはかなり苦労してこの勝利を手に入れた。正直、相手チームがこれほど強いとは予想してなかったよ。彼らの闘志と勇気には驚かされた。常にゴールを目指していた」

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