94年W杯決勝の豪華メンバー集結。マッサーロ弾でイタリアがリベンジ (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳translation by Tonegawa Akiko

 ロマーリオにそのマッサーロの言葉を告げると、彼はこう言った。

「そう、我々は正しい時に負けたのさ」

 53歳になるロマーリオは、この夜の一番のスターだった。昔と変わらず、決して屈せず、チームを引っ張っていた。

 この試合が実現したことは別の意味を持つ。なぜならブラジルはいま、マスターズのW杯を開催しようと画策中だからだ。ブラジル、アルゼンチン、ドイツ、イタリア、フランスなど、少なくとも8カ国は出場する大会にしたいと考えている。実現すれば面白いものになるだろう。

 試合後、ゾーラは嬉しそうにこう言っていた。

「やはりサッカーはすばらしいよ。26年たっても、みんなこうして見に来てくれて、人々を笑顔にできる。サッカーは世界をひとつに結びつけるために大事なものだと思うよ」

 すばらしい試合は、たとえ何年たっても、我々に喜びを与えてくれるものなのだろう。


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