2019.12.26

「南野拓実が活躍できる下地はある」
英国記者がリバプール移籍に太鼓判

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO



 もうひとつ注目したいのは、日本代表MFが持つプレースタイルである。南野の獲得が決まってから、これまでクロップ監督が語ってきた主な南野評は以下のとおりである。

「ライン間におけるスペースを見つけるのがうまい。クレバーで俊敏性がある選手だ」

「今回の補強により、チーム内で競争を生もうとしているのではない。異なる状況で使える、これまでと違うオプションを手に入れたまでだ。それゆえ、タキ(南野)への扉は広く開かれている」

「タキは、攻撃的な位置ならどのポジションでもプレーできる。おそらく、8番(4−3−3のインサイドMF)もできるだろう」

 リバプールは、マイボールになると前線に陣取るモハメド・サラーとマネのスピードスターに早いタイミングで縦パスを入れる。昨シーズンからは、DFラインからのロングボールでサラーとマネの快足を活かす戦術も大きな武器となっている。

 ここに、攻撃のアクセントをつけているのがCFロベルト・フィルミーノだ。

 ポジションは4−3−3のCFだが、前線中央だけに留まらず、中盤まで降下してボールを受けたり、ワイドエリアに動いてパスを引き出す。ボールを受ければ、足もとの技術を生かして四方にパスを供給。ワンタッチで叩いたり、トリッキーな足技で局面打開を図ったりして、攻撃に幅を持たせているのだ。戦術上の重要なキーマンであり、唯一替えが効かないのがこのフィルミーノである。

 そこで、南野を獲得したのではないか。リバプールはフィルミーノが欠場すると、攻撃のバリエーションが低下する傾向にあるからだ。

 アタッカーにはマネやサラー、ジェルダン・シャキリ、ディボック・オリジら「縦への突破」に長けるアタッカーが揃っているが、ここにフィルミーノのような「柔」のエッセンスを加えられる選手は少ない。それゆえ、味方のパスを引き出し、決定的な仕事もこなせる南野に注目したのではないか。