2019.12.24

最強フラメンゴも完敗。南米の
クラブが欧州に勝てない理由は明白だ

  • 沢田啓明●文 text by Sawada Hiroaki
  • photo by AFP/AFLO

 選手の顔ぶれをみても、現役ブラジル代表(セレソン)がFWのガビゴール(ガブリエル)とブルーノ・エンリケ、CBロドリゴ・カイオ、左SBフィリペ・ルイスと4人おり、元セレソンとなるとボランチのウィリアン・アロン、MFエヴェルトン・リベイロ、ジエゴ、右SBラフィーニャ、GKジエゴ・アウベスの5人で、MFジオルジアン・デ・アラスカエッタは現役ウルグアイ代表だ。さらに、若手ボランチのジェルソンもセレソンのチッチ監督が近い将来の招集を明言している逸材だ。 

 今季の国内リーグのベスト11には実に8人が選ばれており、ブラジル、南米では図抜けた戦力を誇る(ただし、現役セレソン4人のうち、現時点でのレギュラーはいないが)。

 もちろん、リバプールの陣容はその上を行く。フィルジル・ファン・ダイクは世界最高のCBで、アリソン・ベッカーも世界ナンバーワンGK。モハメド・サラー、ロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネは、世界最強の3トップだろう。レギュラーはもちろん、控え選手にも強豪国代表の主力選手が揃う。

 とはいえ、昨シーズン、欧州チャンピオンズリーグ(CL)を制覇したものの、圧倒的な強さを発揮したわけではない。グループリーグはパリ・サンジェルマンに次いで2位で、バイエルン、バルセロナなどにも苦戦した。今季の大会でもナポリに1分1敗と苦しみ、最終節にアウェーでザルツブルグを倒して、ようやく決勝トーナメント進出を決めた。少なくとも、レアル・マドリード、バルセロナ、マンチェスター・シティ、ユベントス、パリ・サンジェルマンあたりとは実力が拮抗している。

 そして、この試合ではケガでレギュラー3人(アンカーのファビーニョ、左MFのジョルジニオ・ワイナルドゥム、CBのジョエル・マティプ)を欠いていた。

 また、世界クラブW杯に対する思い入れは、南米のクラブの方がはるかに強い。欧州のクラブにとってはCLこそが最も重要なタイトルであり、世界クラブW杯は付け足しのようなもの。南米と欧州とでは、この大会に対する意気込みと準備の度合いがまったく異なる。