ジーコもエール。フラメンゴが
クラブW杯「伝説のチーム」を目指す

  • 沢田啓明●文 text by Sawada Hiroaki
  • photo by Reuters/AFLO

 決勝で対戦するリバプールも、準決勝で北中米王者モンテレイ(メキシコ)の粘り強い守備と手数をかけない攻撃に苦しんだ。ただし、レギュラー数人を温存していたし、大会初戦ならではの固さもあった。

 大会前からジェズス監督が「優勝候補はリバプール」と繰り返していたように、実力では欧州王者が上だろう(フラメンゴの実力は、欧州チャンピオンズリーグのベスト8くらいか)。相手陣内でのプレスからのボール奪取の迫力はすさまじく、こんなチームは南米にはいない。攻撃力が自慢のフラメンゴといえども、攻略するのは容易ではあるまい。逆に、弱点である左サイドをモハメド・サラー、ロベルト・フィルミーノらに突かれて先制されるようなら苦しくなる。

 フラメンゴが勝つには、サイドの守備を強化してサディオ・マネ、サラーの突破を封じ、広範囲に動き回るフィルミーノもしっかりつかまえること。前半を無失点で切り抜け、ジェルソンが攻守両面で貢献し、積極的なサイド攻撃、さらにはブルーノ・エンリケのスピードから決定機を作り、ガブリエルの決定力に期待したい。厳しい展開となれば、ジエゴという切り札もいる。

 フラメンゴの生ける伝説ジーコは、「アタッカーたちが厳しくマークされるのは間違いない。ボランチのウィリアン・アロンの意表を突いた攻撃参加に期待したい」と、やや意外な見方を示した。

 準決勝には約8000人のフラメンギスタがつめかけて声援を送ったが、12月21日の決勝ではその数が1万5000人ほどに増えると予想されている。彼らの熱烈な応援で、ハリファ国際スタジアムを本拠地マラカナンスタジアムのような雰囲気に変え、フラメンゴがブラジル特有の創造性、意外性、そして勝負強さを発揮できれば、非常に面白い試合となるのではないか。





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